ツールを探すのをやめました。自分で作っています。

黄色い紙の上に、組み立て前のハンマーの部品が並んでいる。鉛筆で線を引いた木製の柄、鋼のヘッド、真鍮の口金、真鍮のネジ2本、六角レンチ、完成形の紙の型紙。

合うツールを見つけるには、以前は検索して、いくつか試して、いちばん近いものに妥協し、毎月お金を払うしかありませんでした。欲しいツールがそもそも存在しないこともありました。今はAIを使って、自分の働き方にぴったり合うツールを自分で作っています。この記事では、何が変わったのか、始め方の3つのパターン、そして組織向けに作るとなぜ大がかりになるのかを紹介します。

これまでのやり方

何かが足りないと気づきます。タスクが抜け漏れ始めたり、プロジェクトの状況が見えなくなったり。そこで「X おすすめ ツール」と検索し、どれも同じアプリを勧めている比較記事をいくつか読んで、2〜3個のトライアルに登録します。

1つはかなり近いものの、そのツールのやり方に合わせることを求めてきます。もう1つは、必要な機能がひとつ上の料金プランにしかありません。3つ目は何でもできるのに、肝心のその1つだけができない。結局いちばん近いものに妥協して月額料金を払い、機能のごく一部しか使わない、ということになります。

そして、何も見つからないこともあります。思い描いているツールが存在しないか、ずっと大きくて高価な製品の一部としてしか手に入らないのです。

何が変わったか

AIのおかげで、自分用の小さなツールは、あの検索をするより早く作れるようになりました。必要なものを説明すると、AIが最初のバージョンを作ります。それを使ってみて、変えてほしいところを伝える。その繰り返しです。多くの場合、以前ツール探しにかけていた時間より短く済みます。

コストも変わります。サブスクがまた1つ増える代わりに、かかるのは主に自分の時間と、おそらくすでに払っているAIツールの料金です。

始め方は3つ

  1. 1. 自分のアイデアから

    欲しいものがはっきりしていることもあります。私はいくつものサイドプロジェクトを同時に進めていて、どれが進行中で、どれが保留中で、どれが判断待ちなのか、すぐにわからなくなっていました。そこで作ったのがCowork HQです。すべてのプロジェクトのステータス、未解決の論点、これまでの経緯を1ページで確認できます。

    Cowork HQ。すべてのプロジェクトのステータス、次のステップ、未解決の論点、これまでの計画セッションを1ページにまとめた画面。
    Cowork HQ(サンプルのプロジェクトで表示)
  2. 2. どの製品もしっくりこない、具体的なニーズから

    製品で対応するには具体的すぎるニーズもあります。私は投稿の計画を手伝ってほしいと思っていました。何について書く価値があるか、すぐに手を入れられる下書き、そして何が反応を得たかの週ごとの振り返り。コンテンツ管理ツールが用意しているのは、カレンダーと予約投稿です。私に必要だったのは、1つのフォルダを拠点に動くAIエージェントの組み合わせでした。1つは毎朝ニュースを読んでブリーフを書き、1つは翌週の投稿の下書きを作り、1つは月曜日に数字を読み込みます。どのエージェントも投稿はできません。投稿するのは私です。

    AIで作ったもののチェックも同じです。レビューツールに別途お金を払う代わりに、自分用のチェッカーを「スキル」(AIが毎回従う手順書のようなもの)として書きました。たとえば、セキュリティレビュー、UIデザインレビュー、情報アーキテクチャのレビューです。

    (途中で気づいたことがあります。ツールだと思っていたものの中には、画面がまったく要らないものもありました。投稿の計画ツールは、ほとんどがただのファイルです。)

    growthフォルダ。毎朝のブリーフが入ったbriefsフォルダ、下書きが並ぶqueueフォルダ、そして今朝のブリーフを開いた画面。
    growthフォルダ。毎朝のブリーフと、queueで待つ下書き(サンプルの内容)
  3. 3. 既存の製品をヒントに

    白紙から始める必要はありません。今月はじめ、人気のアプリをいくつかAIエージェントに作り直させて、どこまでできるかを試しました。そのうち2つは今も使っています。自分用のホワイトボードTack-boardと、自分用のチームチャットBurrowです。売り物にするためのコピーではありません。自分が使う機能だけを入れた、自分のためのバージョンです。(やり方はこちら →)

    シンプルなフローと付箋が並ぶホワイトボードのTack-boardと、buildsチャンネルを開いたチームチャットのBurrow。
    Tack-boardとBurrow(サンプルの内容で表示)

得られるもの

  • ぴったり合う。製品チームが「たいていの人はこう使うだろう」と想定したやり方ではなく、自分の働き方に合わせて動いてくれます。
  • 余計なものがない。一度も開かない機能だらけのメニューはありません。
  • 自分に合わせて変えられる。来月、新しいニーズが出てきたら、頼めばいいだけです。
  • 月額料金がかからない。データも、自分が決めた場所に置いたままにできます。

1人から1,000人へ

もちろん、5人で使うツールと1,000人で使うツールは同じではありません。でも、作る部分は同じです。欲しいものを説明し、AIが作り、使いながら改善していく。

変わるのは、その周りのすべてです。使う人が増えるほど、必要なものも増えます。きちんとしたログインと権限管理、破られないセキュリティ、安全に保管されバックアップされたデータ、そして来月も来年も面倒を見る人。規模が大きくなったときの本当の仕事はそこにあり、それもAIのおかげでずっと楽になっています。

だから、まずは自分用から。次に小さなチームで。ステップアップは確かにありますが、もう手の届かないものではありません。

ツールを探し始める前に

最初に試すプロンプト:

自分の仕事用に、シンプルなツールがほしいです。やってほしいこと(1つ):[1文で]。参考にしたいもの:[自分のアイデア、または気に入っている製品と変えたい点]。使う人:自分だけ。画面で見たいこと・したいこと:[リスト]。ブラウザで動く1ページだけのツールにして、保存先は[ファイル/ブラウザ]にしてください。ログインもサーバーも不要です。まず最小限のバージョンを作り、そのあと足りないものを私に聞いてください。

English I want a simple tool for my own work. The one job it does: [one sentence]. Inspired by: [your idea, or a product you like and what you’d change]. Who uses it: only me. What I need to see or do on screen: [list]. Keep it to a single page that runs in my browser and saves to [a file / my browser]. No sign-in, no server. Build the smallest version first, then ask me what’s missing.

払い続けているのにほとんど使っていないツールがあれば、それが最初に自作してみるのにちょうどいい候補です。